フィドルパターンのカトラリー

スプーンやフォークなどのカトラリーの中でも特に柄の部分がヴァイオリンのような形をしているデザインのものを「フィドルパターン」といいます。英語でヴァイオリンのことをFiddleというので(そのままviolinでも通じますが)この名前がついたようで、その歴史は古く15世紀頃からあったそう。

90年代半ば、ロンドンのコンランショップに初めて行ったときにもオリジナルのフィドルパターンのカトラリーがずらっと並んでいました。全種類買って帰りたかったけれど、当時の自分には高くて買えなかった思い出があり、個人的に憧れのデザインでもあります。

その歴史あるデザインのオマージュとして日本で作られているカトラリーをご紹介。

LOBBYというシリーズで日本が世界に誇る金属産業都市、新潟・燕市産。お隣の三条市と合わせてよく「燕三条」と呼ばれます。かの有名なカイ・ボイスンのカトラリー、柳宗理、グローバルの包丁など品質・デザイン共に優れたステンレス製品はほぼ燕三条産です。ヨーロッパの伝統的なデザインが高品質な国産で今買えるというのはうれしい限り。しかも価格もかなり良心的です。

種類は揃えるなら最低限持っておきたいデザートナイフ、デザートフォーク、デザートスプーンと、なくてもいいけどあると便利なケーキフォーク、バターナイフ、ブイヨンスプーンの6種類。
「デザート」と名前がついている3種類は、通常食事で使う大きさで、一般的には「テーブル」とか「ディナー」と名前がついているサイズ感です。

ブイヨン(スープ)スプーンはお持ちでない方が多いかもしれませんが、一度これでスープを飲むと普通のスプーンではどうもしっくりこなくなります。私は野菜スープをよく作るのですが、大きめのカフェオレボウルにスープスプーンを合わせて使っています。おすすめです。
ケーキフォークはいわゆるオイスターフォークのように刃の部分が太めなので生地がしっかりしたケーキを食べる時にも使いやすいです。

元になったフィドルパターンの本物のアンティークのスプーンもあります。100年以上前のイギリスのもの、やはり現行品にはない重厚な風格がありますね。
こちらの裏側にはイニシャルの刻印があります。それを読み解いていくのにチャレンジ。おそらく「A」は持ち主のイニシャル、「JB&S」はJAMES BALLANTYNE & SONというメーカーの名前、「EP」はElectro Platedの略で銀メッキのことです。紋章は年代や産地を表すマークだと思うのですがアンティークには明るくないので詳細はわかりませんでした。引き続き調べてみます。
アンティークと現行品、比べると古参と新入りといった感じでおもしろい。
現行品を時間をかけてアンティークのように育てるのもいいですね。

LOBBY デザートナイフ ¥1,870
LOBBY デザートフォーク ¥935
LOBBY デザートスプーン ¥935
LOBBY ケーキフォーク ¥715
LOBBY ブイヨンスプーン ¥880
LOBBY バターナイフ ¥715
アンティーク イニシャルスプーン ¥2,420(from England 1点限り)

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