イギリスから古いカップ&ソーサーが届きました。
今はなき陶磁器ブランド、Midwinter(ミッドウィンター)社をご存知でしょうか。簡単に歴史をご紹介します。1910年に設立、1953年に著名なデザイナーを多数起用し発表された「スタイルクラフト」を始めとするシリーズは、当時流行していたモダンなインテリアとも相まって人気を博しました。しかし、1960年代後半に経営難に陥り、1970年、ウェッジウッド社に買収されます。ウェッジウッド傘下に入ってからも優れたデザインのシリーズを発表しますが復活はならず、惜しくも1987年にブランドは閉鎖となります。
その後、1990年代にヴィクトリア&アルバート美術館で展示されたことにより再び脚光を浴び、コレクターも多数存在するため、年々入手困難となっているようです。そういえば20年くらい前に梅田の阪急百貨店の英国展に行ったとき、ガラスのショーケースに入ったミッドウィンターのアイテムの価格に驚いたことがありましたっけ。
個人的にはミッドウィンターといえば、ジェシー・テイトがデザインした赤と白のドットがポップな「レッドドミノ」シリーズが真っ先に思い浮かびますが、今日ご紹介するのはコレクターの中でも人気のシックなBali-Ha'i(バリ・ハイ)シリーズです。
デザインはJohn Ressell(ジョン・ラッセル)。Bali-Ha'iというシリーズ名は当時人気だったミュージカル「南太平洋」に出てくる代表曲から名付けられました。美しい植物のイラスト、黒は転写、黄色の部分だけ手描きなので、よく見ると黄色のつき方が1点ずつ違います。ソーサーのバックプリントの黄色のチョンチョンも遊び心があっていいですね。もう1点の方は左側にチョンだけでした。カップの裏には「MIDWINTER ENGLAND」の刻印。こちらは「ファッションシェイプ」というシリーズに位置付けられます。このシリーズはフォルムが特徴的でソーサーとカップの底はスクエア型、カップの口の部分は丸くなっています。アメリカのミッドセンチュリーモダンっぽいなと思っていたら、当時のパイレックスやファイヤーキングの影響も受けていたとか。道理で。サイズは小さめなのでデミタスカップとしてお使いいただくか、デザートなどを入れても。素材はイギリスの食器類に多いストーンウェア(半磁器)で高温で焼かれているため丈夫ですが、こういうアイテムは日常的に使わずとも「愛でる」だけでも価値ありです。Vintage ミッドウィンター バリ・ハイ カップ&ソーサー ¥7,590
(在庫2点)
お問い合わせ・ご感想はCONTACTからお願いいたします。