丹波篠山で漆器や木工品を作られている居七十七(いなとな)さんからボウルやプレートを持って帰ってきました。
居七十七さんとの出会いはいつだったか定かではないのですが、今の場所に引っ越される前、同じ丹波篠山の栗柄(くりから)という地域にお店があったときにお伺いしたことがあるので10年以上前でしょうか。
聞いたことがない単語なのに一度聞いたら忘れない「居七十七」という屋号、七十七は「喜」の旧字「㐂」から来ています。七十七と読めるところから喜寿のお祝いの起源ともなっている字。それに住まいを表す「居」がつき、喜ばしい住まい、住まう喜びの意味が込められています。古い民家を改装されたショールームにお伺いして、シンボルのようになっているこの字と木のサインを見る度にいいなあと思います(今回の訪問ではほぼ写真を撮らなかったのでこれは6年前のもの。今はさらに味が出ています)。
器はボウルやプレート、椀ものなどをいろんな木材で作られています。主に地元の木材を材料とされていますが、近年は里山整備も兼ねて木こりのように山に木を切りに行き、自分で伐採した間伐材を使われることも多いとか。
作品を生み出しているだけでもカッコいいのに、その材料も自ら調達してくるとは。しかもそれが地域貢献にもなっているとは。こういう作り手さんに出会う度に、本来、人の暮らしの営みってこういうことなんだと気づかされます。毎日スマホばかりいじっている自分を省みることしきり・・・。
さて、そんな野澤さんの木のうつわ、私は栗のリムプレートと漆のお椀を長年愛用していて、どちらもほぼ毎日使っています。リムプレートは21cm(7寸)と27cm(9寸)くらいの2サイズを所有、21cmの方はいつ購入したか忘れてしまいましたが7〜8年は経っていると思います。それがこちら。傷や色の変化を重ねれば重ねるほど愛おしくなってきます。
器とのつきあいはおもしろいもので、実は購入したときは無垢なのでトレイみたいに使おうと考えていました。お手入れをきちんとする自信がなく、普通に食器として使うとシミができたりカビが生えたりしないかと心配だったのです。実際、しばらくはフルーツを置くだけでした。
でも、ある時トーストを置いてみたら、すごくいい感じではありませんか。洗うときも洗剤を使わない方がいいので私はアクリルたわしでこするだけ、クロスで丁寧に拭かずとも木目に垂直に立てかけておけばすぐ乾くし、何より軽いのってこんなに楽なんだ!と感動。欠けや割れに気を使わずに済むのも気に入り、それ以来バンバン使うようになりました。
ほんの一部ですが使用例として写真に収めていたものを集めてみました。最上段右と最下段中央のサラダが27cm、他は全て21cmです。
揚げ物、焼きたてトーストや炊きたてごはんのおにぎりにも、というか熱々のものにこそ、木のプレートはおすすめです。無垢の木は生きているので湿気を吸ってくれるからです。個人的にはトーストを乗せたとき、このリムがあることによってさらに隙間から蒸気が逃げやすくなってパンがしなっとならずに済んでいるのではないかと感じています。私はよくフライドポテト(大好物)も乗せるのですが、揚げ物も「カリッ」が保ててよりおいしい。
漆染めという独自の方法で仕上げられているこちら、木目や節が引き立ち、しっとりと手にもなじみます。漆の効果で耐水性もあるのでドレッシングやパスタソースなども気にせず盛り付けられます。軽くて割れにくいのでお子さん用にも向いています。「小さい頃から本物を」というのもわかりますが、子ども用のうつわが陶磁器やガラスではやはり心許ない。その点こちらは多少ぶつけたり落としたりしても大丈夫ですし、一緒に成長して変化していく過程も楽しめます。食べ物をお皿に乗せてからナイフや包丁で切ったりできるのも便利。子ども用にするには少々値は張りますが、一生、いやそれ以上使えるのでそう考えればリーズナブルともいえます。先述の通り、吸収しますので水につけ置きや水分の多いものを入れっぱなしにはできないこと、一般的な漆塗りとは違う手法で本漆が塗られているので漆アレルギーの方はご使用いただけないこと、他以下の点にご注意いただかないといけませんが、基本は使って、水気のあるものならすぐ洗って乾かす、それだけです。毎日繰り返し使うことによってより使いやすくなってくるところは鉄のフライパンにも似てますね。リムプレート以外のアイテムはまた後日ご紹介します。
居七十七 漆染め仕上げ栗のリムプレート
18cm ¥5,335
21cm ¥6,523
27cm ¥13,035
食洗機・電子レンジ・冷蔵庫など全ての生活家電の使用は不可
直射日光・高温多湿・極度の乾燥には反り・破損・割れが生じることがあります。
お問い合わせはお手数ですがCONTACTからお願いいたします。