みなさんは家にいる時や移動中に音楽を聴かれますか。聴かれるとしたらお使いのプレーヤーやデバイスは何ですか。
今は音楽への触れ方も多種多様ではありますが、ほとんどの方がスマートフォンかPCを使って配信サービスで聴かれているのではないでしょうか。便利だし無料だし物理的なメディアが存在しないので昔のレコードやCDのように増えて部屋を占拠することもない。かく言う私も家ではもっぱらSpotifyで聴いています。CDプレーヤーは何年も前に手放してから持っておらず、もはやパソコンにもディスクの挿入口はありません。
でも、sancaを始めるときにいろんなつくり手さんとやり取りをしていて、音楽を作っている人のことも改めて考えるようになりました。茶葉やお菓子、うつわや木工作品だけでなく、BGMでかける音楽もそれぞれのミュージシャンの方の作品です。きっと作家さんと同じようにああでもないこうでもないと苦労して生み出されたことでしょう。会ったこともない人が大半だけど、その方たちの作品ももっと大事にしたい気持ちが湧いてきました。
ミュージシャンの方たちが世に自分の作品を発表するときには「アルバム」という形でリリースされます。アルバムにタイトルがついていてテーマがあったり、タイトルトラックまであったり、きっと曲順も練られているでしょう。ジャケットも然りです。
だったら、やはりシャッフル再生などせず、アルバムごとに、収録されている順番通りに、ジャケットを隅々まで見て読んだ状態で聴くのがつくり手さんへのリスペクトというものだろうと思い至り、BGMはCDでかけることに決めました(A面B面の作り方もあるので本当はレコードがよかったのですが、スペースの都合で断念)。sancaはつくり手さんを敬意を込めて讃える「讃歌」の意なので、BGMにもそのコンセプトの筋を通そうと考えたわけです。
それからCDプレーヤーを買い直すべく探しましたがなかなかいいのがない。見つけてもほとんどが製造中止になっている。そりゃそうですよね。ダメ元でハードオフに行ってみたら、SONYの廃番品がなんと4,000円で売っているではありませんか。もちろん即買い。かくして無事にCDをかけられているというわけです。
そして、ちょっとしたつながりから昔から好きで聴いていたレーベルのCDをお取り扱いできることになりました。現在在庫があるのは8タイトル。その中から今のシーズンにぴったりの1枚をご紹介します。
タイトルは「Autumn Compilation」。333(サンサンサン)DISCSというレーベルより2000年〜2009年の間にリリースにされたCDから秋をイメージした楽曲が10曲収められています。立冬を過ぎたばかりのまさに今、冬への準備期間に流れていてほしい音ともいうべき作品ばかりで、クリスマスソングで溢れる嵐の前の静けさを感じられるアルバムです。
tico moonのハープの音色が落ち葉が舞い散るようだったり、naomi&goroのnaomiさんの声が秋の夜長に寄り添ってくれるようだったり・・・どの曲もしみじみといいのです。