アンティークの金継ぎ #1

形あるものはいつか壊れると心得ていても、気に入りの食器、ましてや商品が割れてしまったらやっぱりショック。

特にアンティークだと、幾星霜を重ねてここまで来たのに私の元で歴史が途絶えてしまうのかなどと考えてしまい、余計に捨てられずとっておいたものがありました。

3年程前から通っている本漆の金継ぎ教室でそれらを直していて、やっと完成したものがあるのでご紹介します。素人なので雑な部分はお許しを。

不注意で落として、ぱっかり2つに割れてしまったイギリスの今はなきJohnson Brothers(ジョンソンブラザーズ)社のソーサー。

田舎の村がテーマになっている「THE FRIENDLY VILLAGE」というシリーズのもので、物語の中に出てきそうな冬の雪深い村が描かれています。

1950年代に製造された、ふちの波打つフォルムとレリーフの繊細さに胸がときめく1枚。

元はカップ&ソーサーだったので、中央にカップを置くためのくぼみがありますが、言われないとわからない薄さなので単体で使っても違和感はありません。

ノスタルジックなブラウンには金より落ち着いた輝きの方が合うように感じ、仕上げは金粉ではなく真鍮粉にしました(価格が金は真鍮の数十倍するからという理由もあり)。


海外のアンティーク食器に真鍮、相性がいいですね(真鍮が安価だからってこじつけではないですよ)。

ただ、金と違って直接口に触れる食器として使うのはよくないので、食品であれば乾いたものを置く、もしくはトレイとして使います。お菓子をのせてもいいですし、鍵やアクセサリー置きにもいいのでは。


もう1点、金と異なるのは変色すること。経年変化で少しずつ黒っぽい沈んだ色になっていきます。私はむしろそうなってからの方が好きで、古い食器には特にしっくりくると思います。

そして、この年代の食器はバックスタンプのチェックが醍醐味・・・見てください、とびきりかわいい。赤い葉っぱの描き方にキュン。

「簡易」や「モダン」と名がつく金継ぎではなく、自然の漆を使ったやり方なので時間と費用はかかりましたが、捨てずに直してよかったなと完成品を見るにつけ思います。

修復に向き合っている時間はとても楽しいですし。

というわけで、一度破損して継いだアンティークということをご理解の上、使ってくださる方がいらっしゃいましたら幸いです。

Vintage Johnson Brothers THE FRIENDLY VILLAGE Saucer ¥2,200
φ14.3 × H2.3 cm 本漆継ぎ・真鍮粉仕上げ

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