東京・吉祥寺の雑貨店CINQ(サンク)からティー缶が新しく入荷しました。2006年に発売以来、ずっと作り続けられているオリジナルです。
蓋にサンセリフ体の「TEA」のロゴが入っただけのデザイン。プリントではなくエンボスというところがさすがです。キッチンに出しっぱなしにしておいたり複数並べたりする可能性のあるものはこのくらいシンプルなものがいいのですが、ここまで潔いものは磁器のカップやティーストレーナーよろしくなかなか見つからないのです。
使い込んで傷だらけになってくすんでいくと、ヨーロッパのアンティーク缶のようになるのであえてクリア塗装をせず、無垢のまま仕上げられています。
下の写真はイギリスの正真正銘アンティークの紅茶缶。ここまでになるのを見届けるほどは生きられませんが、質感のイメージはこんな感じでしょうか。こちらも数字がプリントではなくエンボスなのでより近いかもしれませんね。
日本の老舗のお茶屋さんでも手垢がついて年季の入った渋い缶を見たことがあります。
今はピカピカですが、毎日せっせと使って自らの手でカッコよく育てていくのです。職人さんの技で作られたブリキ缶、中はきちんと密閉されています。外蓋をはめると、すーっと落ちるようにぴったり閉まるのが気持ちいい。
茶葉は湿度にも光にも香りにも弱いので、ガラス容器や紙袋、透明の袋より密閉された缶で保管した方が品質が維持できます。茶葉で約200g入るので、当店で販売している茶葉はケニア山の紅茶以外はすべて全量入ります。袋から出してしまうと種類がわからなくなるので私はパッケージを切って内蓋に貼っています。ラベルが大きいときは茶葉と一緒に中に入れてしまっていることも。茶葉が全部入ってティーキャディーも入るととてもスマートですし、缶の直径が9.5cmと大きめなので袋からより随分と出しやすい。こういうちょっとした作業をスムーズにできるようにしておくと、お茶を淹れる行為自体がさらに楽しくなるというもの。
底にはCINQのロゴがプリントで入っています。
ブリキをはんだ付けしてあるため、水気や湿気に弱いです、ご注意ください。水洗いは禁物、普段は乾拭きで十分です。どうしても汚れが気になったら固く絞った布巾で拭いても大丈夫ですが、必ずしっかりと乾かしてからご使用ください。毎日のように使っていると5〜6年でいい雰囲気になってくるようです。早くアンティーク缶にならないかなあ。